motokaiho’s blog

元海保の体験談

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【深度40m潜水捜索】海底に沈む犯人のPCを発見せよ!!

どうも、元潜水士です。

 

Twitterに投稿したPC潜水捜索について、反響が少し多かったので、ブログにしてみようかと思いました。

 

 

海上保安官の潜水士といえば、海猿のような人命救助を思い浮かべる方がほとんどだと思いますが、実は捜査のお手伝いもよくするんです。

 

今回のようにPCを海に投げ捨てた!とか、車両を捜索!とかとか。

 

なので今回は、救助ではない潜水の部分を紹介できたらと思います。

 

とある日のこと。

 

潜水班に保安部から応援要請が届いた。

 

話を聞いてみると、犯人がPCを海に捨てて証拠を隠滅しようとしているらしい。

 

犯人はすでに逮捕しており、黙秘を続けているが、現場の状況からみて当時いた場所の付近に、PCがあるはずだ!とのことだった。

 

海図で確認すると、犯行現場の水深は40m。捜索範囲も恐ろしく広い。

 

潮流予測などを確認しても、見つけられる可能性は低いことが新人でもわかった。

 

潜水に使用できる日程は2日間。

 

深度40mの潜水は、およそ10分程度の捜索しか行えないため、班の編成、捜索方法、エリアの絞り込みなどを入念に確認した。

 

この時の潜水班は私を含め5名しかおらず、先行して3名にて捜索を行い、残り2名は2回目の潜水を行うことにした。

 

前日は次の日の捜索のためゆっくりぐっすり就寝。

 

捜索1日目

 

捜索海域に到着後、潜降索を海に投入し、減圧ステージを設定。

 

超明るい水中ライトを準備し、先輩、私、新人の三名にて潜水捜索を開始した。

 

ポジションとしては先輩が1番員といって潜降索に位置し、方位や時間を管理。

 

2番員は捜索に使用する索にテンションを張って外側を潜水するポジション、これは中々重要なポジションで、息の持ちが良い私が行い、3番員といって、1番と2番の間を捜索するポジションは新人がやることになった。

 

捜索方法は環状捜索といって円状に捜索する手法を用いて捜索を実施。

 

水深40mでは音もなく静かで、明かりが届かないため暗く冷たい。。。

 

しかし!私には超高性能ライトがあったため全然怖くないし、静かで気持ちいいとまで感じさせてくれる海域でした。

 

次潜るなら、もっとゆっくり堪能したい。

 

ですが、この時は時間もないため、一切無駄な動きもせずに、捜索に全力を尽くしました。

 

普段頼りない新人も人が変わったようにスムーズに作業を行い海底の砂を巻き上げることなく捜索を行ってくれました。

 

ですがそう甘くはなく、PCを発見できずに浮上。

 

2回目の潜水も発見することはできずに1日目の潜水は終わりを迎えた。

 

その後海域の設定、捜索方法、班設定などの打ち合わせを行い、捜索範囲の変更以外は本日のまま再捜索を行うことに決定。

 

明日に備えて就寝。この時はワッチ作業を免除していただきました。

 

最終日

 

昨日同様の流れで潜水を開始、スムーズに40mまで潜ると、スピーディに捜索を開始。

 

ここで見つけられたら俺格好いいな!と思いながら捜索を実施していると、、、

 

ピカ

 

ピカ

 

あれ?私の超高性能ライトに何か反射している。。。

 

キタァァァァァァァ!!!

 

PCあったやないかーーーーい!!

 

と一瞬興奮するものの、索の外側にあったため、見失ってはいけないと思い、班員に止まれの指示

 

班員が止まった合図を返してくれたので、発見の合図を送ると新人が目を輝かせ颯爽と現れました。

 

そう、砂をまき散らせながら。。。

 

新人が目の前に来た頃には視界は0グラビティ。

 

潜水時間も無くなったため、回収できずに浮上することに。

 

減圧ステージにて先輩が「PCは?」

 

みたいなジェスチャー

 

新人の青ざめた顔。

 

先輩の血走った目。

 

封神した私の魂(封神演義

 

だがしかし、私と先輩は方位を確認しており、2人とも同じ方位を確認していたことから、次の班にて見事PCを発見、回収することに成功!!

 

何とか無事にPCを発見することができましたが、捜索後の船上では先輩が新人に鬼詰めしており、地獄絵図となってしましました。

 

後日、今回のPC発見が評価され、潜水班は部内ではありますが表彰され、副賞として栄養ドリンク一箱(潜水班分)を授与された。

 

せめて一人一箱欲しかったと思った、貧乏官庁の思い出ぽろぽろ。